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抹茶色のスナイロユンクと、若草色の様な不思議な色合をした
ゲッコウヤグラを前にして、父さんは大声で説教を始めた。
「いいか、飼い主の迎えが来るまでの間、私が貴様らを監視する。
食事はウスバカゲロウなんて上等な物は与えない。
カブトムシで我慢しろ。眠る時は松の木の上で眠れ。
昼も夜も、棺の半径5km以内に近づくな。
・・・おい、待て。何処へ行く。話はまだ終わって無いぞ!
なんだ、まさか私の姿が見えていないのか?
これだから凡人と若者と、不純な性格の人間は嫌いなんだ!」
喚く父さんを無視して、スナイロユンクとゲッコウヤグラは
松の葉をむしってみたり、時計の振り子を止めたりと勝手な行動を始めた。
スナイロユンクが、ワングのぬいぐるみを枕にして眠り始めた時は
喚きっぱなしだった父さんがさらに喚き始め
グッスリと眠っているユンクを蹴り飛ばそうとしていたが
蹴られるわけが無い。
幽霊だから。
ゲッコウヤグラが、島の地面を掘り返し始めたときも
後ろから円盤を叩き割ろうとしていたが、叩き割れるわけが無い。
幽霊だから。
奇声と罵声を上げる父親に気が付かないまま
スナイロユンクとゲッコウヤグラは、暇そうに浮いたり跳ねたりしていた。
そんな滑稽なのか、それとも平和なのか
よく分からない光景を横目で眺めながら
私は、この二人の家出人に掛かる餌代を計算していた。
***
SNSに乗っけた家出さんと棺ちゃん。と剣パパのお話。
ちなみに、家出さんにはウスバを献上させて頂きました。
画像もその当時撮影したものです。
この小説は半分フィクションです(